WORKS158

実例データ

概要:
戸建てリノベ
床面積:
160.86㎡
間取り:
5LDK+S→5LDK+WIC
構造:
木造2階(小堀住宅 木質パネル工法)
リノベ竣工:
2025年7月
リノベ時築年数:
当時築39年
施工金額:
3,370万円(施主支給品を除く)
設計金額:
上記の15%
物件価格:
家族構成:
6人家族
場所:
非公開
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壁が造る間取りと繋がり。美術館のような2世帯住宅へフルリノベーション

ご主人様のご実家をリノベーションし2世帯で住まうことを決められたご夫妻。建物構造が、間取り変更が難しい木質パネル工法と特殊な構造であることから、設計事務所であるリデザインにご相談いただきました。

頂いたご要望は、元々のポテンシャルである玄関吹き抜けはいかし、玄関正面の大開口をより大きくすることと、広いリビング、快適に過ごせる二世帯家族仕様でした。

既存構造により大胆な間取り変更ができない中でも、構造設計を入れ、適切に各所補強を入れることでご希望間取り・要望に近づくようにリノベーションプランをご提案していきました。

エントランスエリアは、「広がる空間」を意識し、坪庭とエントランスを繋ぐ窓の拡張をしたことで開放感の高い空間に仕上げています。エントランスから続く廊下には、ギャラリーを設け、エントランスの大開口と同じ構成のFIX窓を設置。突き当りの無い広がりのある廊下となっています。

LDKは、隣接していた元和室をダイニングとつなげることで、日常で多くの時間を過ごすLDK空間を拡張しました。構造の観点から開口幅にも影響がありましたが、あえて、壁を厚くし、機器配線を隠ぺいする機能性や意匠性を持たせています。

素材もこだわっており、左官素材(クライマテリア/アイカ工業)や、リビング背面は一面の鏡張りを用いることで、空間の広がりと家具を演出する存在感のある壁にしています。リビングダイニングにはダウンライトを設置せず存在感を無くし、視線を床に置かれる家具やマテリアルがより引き立つよう、照明はペンダントライトとスイッチコンセントで接続したスタンドライトのみにしています。
黒を基調としたキッチンエリアには、お施主様支給のキッチンがメインとなるよう窓や壁の開口を適切に配置しました。

水廻りは、脱衣室の手前に洗面室を設けることで、脱衣室を使いながらも洗面を使うことができる利便性を確保。点在していた構造壁を活かし、独立洗面台を2つ設ける計画とすることで、同時使用ができるとともに、視線や距離感を気にせず身支度のできる洗面台になっています。壁面は、床と同じ塩ビタイル(ピエスタ/東リ)を貼ることで水廻りの耐久性と意匠性を担保しつつ、あえて脱衣室にも同じ仕様の壁を作ることで、ドアを開けた時の広がりを感じられる空間デザインに。照明は直接視線に入らいないよう配置を考慮し、LDK、廊下空間と統一感を演出しました。

バスルームは、既存が在来浴室で洗い場が広くとられていましたが、メンテナンスと清掃性を考慮し、広さを損なわないタカラスタンダードのサイズオーダーができるユニットバスを採用しています。

親御様のプライベートスペースには、新たにトイレを新設。引手の握りやすさや収納の使い方など、機能性を考慮しました。

お施主様世帯の個室がある2階へと続く階段は既存階段を塗装して再利用しています。意匠性を高めるために、新たに交換した手すりは埋め込み間接照明により印象的な空間に。2階は、間取りを大きく変えず、こだわりの家具や照明を活かす考え方は1Fと同様に取り込み、カーテンの使い方、収納やの使い方等、極力シンプルで使い勝手に重きを置いた空間になっています。

壁で仕切られつつも、ラインが整った直線美。空間ごとに合わせた光の演出。
そこで過ごす時間がアートになる住まいが完成しました。

BEFORE

AFTER

BEFORE
AFTER